■世界遺産 熊野古道

世界遺産 熊野古道

熊野古道が2004年「世界遺産」に登録されると聞き、前の年に熊野神社への初詣をかねて訪れてみました。

熊野古道とは、熊野三山(熊野本宮・速玉・那智大社)に詣でる古の道のこと。「熊野詣」とは、聖地熊野(古くから神々が住むと崇めれている)への詣で、来世の幸せを神々に託すという信仰のことですが、この詣には険しい山道(熊野古道)が伴います。

平安時代の中期、法皇や上皇の御幸が盛んになるに伴い、街道や宿場が整備されました。その後、この詣は皇室から武士、庶民へと幅広く広がり「蟻の熊野詣」といわれる程多くの人が訪れたそうです。これは熊野の神が身分や性別を問わず誰でも受け入れてくれる神であったから といわれています。

では、なぜこの「石畳」が作られたのでしょうか?

● 雨により土砂が流され、道が崩れるのを防ぐ
● 険しい山道の傾斜を少しでも緩める
● 草が茂るのを防ぐ(温暖な気候のため人の行き来が少ないと草が茂る)

というのが主な理由ですが、石畳が本格的に整備されたのは17世紀前半(江戸時代)といわれています。紀州藩祖 徳川頼宣が藩政諸施策の一環として街道を整備。政治的な交通路として和歌山から新宮までの「紀伊路」に伊勢までの「伊勢路」を加えて熊野街道として整備したのです。

熊野詣には大きく分けると6つのルート(紀伊路・大辺路・中辺路・小辺路・大峯道・伊勢路)があります。紀伊路(紀伊半島の西側ルート)が法王や上皇の御幸ルートであったのに対し、「伊勢路」は庶民の道として伊勢参り帰りの旅人や西国三十三ヶ所めぐりの巡礼者たちが通ったそうです。

『歴史・神秘・古人の知恵』が体感できる「熊野古道」。なるほど、世界遺産ですね!