■Margaret Mitchell

Margaret MitchellMargaret Mitchell

アメリカ南部の歴史は「南北戦争」「公民権運動」等に象徴される。
名著「風と共に去りぬ」はここ南部アトランタで生まれた。マーガレットはアトランタ・ジャーナルで新聞記者を勤めた後10年もの歳月を費やしこの長編ロマンスを 描き上げ1936年に出版。彼女の執筆は生涯(1949年自動車事故で死亡49歳)この一作だけではあるが、これが大ベストセラーとなった。執筆のきっかけは落馬で骨折(3度)した彼女へ夫が勧めたことだった。
ガイドの説明によれば、彼女は原稿を書き上げる毎に封筒に入れ隠したり、お手洗いに席を立つときでさえも原稿を見えないようにしたり、タイプライターにも布をかぶせる等して原稿の内容を最後まで明かさなかったそうです。

コンドミニアム

夫妻が住んでいたコンドミニアムは現在は高層ビルの谷間に建っています。この家は2度の火災(放火)に遭い修復されていますが、タイル一枚一枚に至るまでも原型 に復元するために相当な月日がかっかたそうです。
彼女は著書を通じ人間の美とは「内面に宿る気高い精神と真理を貫く強い行動」と伝えたかったのでしょう。出版の翌年には映画化され、その翌年にはピューリッツア 賞も受賞。世界で2番目に良く売れた書物とも言われている。

幼き日のマーティー・ルーサー・キング牧師

偶然なのかもしれませんが、彼女の記念出版パーティーの式典の写真に、幼き日のマーティー・ルーサー・キング牧師の姿が写っていました。彼女の作品からマーガレットは「奴隷制度」に賛成だったのでは…?との捉え方もされ、交通事故も意図的ではないかともいわれていますが、 実際には公民権運動に多額の献金を行い、黒人の地位向上に向けての道を拓いています。
館内には、彼女と共にキング牧師の公民権活動の写真も飾られていました(撮影禁止)。
「I have a dream」この言葉のもとに、自分の子供・孫、いつかは人種差別を無くしたい。自分の命と引きかえに闘ったキング牧師の生涯・生き様の凄さを改めて知った時、体が震えている自分がわかり、その勇気と信念に感動で涙が止まりませんでした。

もともとアトランタは1830年代 南部からの鉄道の終着点として、測量員が杭を打ったのが起点で、当時は終着点を意味する「ターミナス」と呼ばれていたそうです。今やアトランタはCNN・コカコーラ・UPS等を代表する数多くの全米トップ企業の拠点とも位置づけられています。     南部の歴史的な背景を知り、もう一度「風と共に去りぬ」が観たくなりました。